旅館業許可ではなく民泊届出を選ぶ5つのメリット|費用・手続き・やり方

この記事にアクセスしてくださったということは、皆さん同じ悩みを持った方ではないでしょうか?

「宿泊ビジネスを始めたいけど、旅館業の許可と民泊の届出、どっちがいいかわからない…」

廣瀬アシスト行政書士事務所でも、富山県で空き家活用や副業としての宿泊事業を検討されている方から、実務上とてもよくいただくご質問です。

結論から言えば、小規模・副業・低コストで始めたい方には「民泊(住宅宿泊事業法に基づく届出)」が圧倒的に有利です。

この記事では、旅館業許可と比較しながら、民泊届出を選ぶメリットを費用・手続き・用途地域・消防設備の4つの観点から詳しく解説します。

富山県・魚津市で民泊を始めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

旅館業許可と民泊届出の違い|そもそも何が違う?

宿泊料を受けて人を宿泊させる事業には、大きく分けて「旅館業法に基づく許可」と「住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出」の2つのルートがあります。

旅館業法は厚生労働省が所管する法律で、営業には都道府県知事(保健所設置市の場合は市長)の「許可」が必要です。

一方、住宅宿泊事業法は2018年6月に施行された比較的新しい法律で、都道府県知事への「届出」で営業を開始できます。

この「許可」と「届出」の違いが、費用や手続きの負担に大きな差を生んでいます。

なお、旅館業と民泊の違いについてはこちらの記事「民泊と旅館業許可の違いは?どちらを選ぶべきか富山県・魚津市の行政書士が解説」でも解説しております。

比較項目旅館業(簡易宿所)民泊(住宅宿泊事業法)
手続きの種類許可(審査あり)届出(書類が整えば受理)
営業日数制限なし(365日可)年間180日まで
申請手数料約22,000円(自治体による)無料
手続き期間の目安1〜3か月2週間〜1か月
用途地域の制限あり(6地域のみ)ほぼなし(工業専用地域以外)
初期費用の総額目安30万〜200万円以上0〜50万円程度

では、具体的なメリットを一つずつ見ていきましょう。

メリット①|届出手数料が「無料」。費用の安さ

民泊届出を選ぶ最大のメリットは、行政への届出手数料が無料であることです。

旅館業(簡易宿所)の許可申請には、自治体によって異なりますが約22,000円の申請手数料がかかります。

さらに、用途変更の確認申請が必要なケースでは30,000〜100,000円の追加費用が発生することもあります。

一方、住宅宿泊事業法に基づく届出は手数料がかかりません。

届出に必要な添付書類(登記事項証明書・住民票など)の取得費用として数千円程度は必要ですが、行政書士に依頼した場合でも5万〜15万円が相場です。

初期費用の総額でも大きな差が出ます。

旅館業許可では消防設備工事や建築確認申請なども含めて30万〜200万円以上かかるのに対し、民泊届出の場合は物件の状態にもよりますが0〜50万円程度に収まるケースが一般的です。

メリット②|「届出制」だから手続きが早い・シンプル

旅館業許可は許可制のため、保健所による書類審査と施設の現地検査があり、申請から許可取得まで1〜3か月程度かかります。

さらに、消防署・建築指導課など複数の行政機関との事前協議が必要で、手続きは複雑です。

これに対し、民泊届出は「届出制」です。

必要書類を整えて提出すれば、原則として受理されます。

届出から届出番号の通知まで2週間〜1か月程度が一般的な目安です。

富山県では、観光庁が開設する「民泊制度運営システム」からオンラインで届出を行うことが原則となっています。

インターネット環境がない場合は、届出書と添付書類を富山県生活衛生課へ郵送または持参することも可能です。

書類審査のみで現地検査がない分、開業までのスピードが格段に早い。

ご相談者様はできるだけ早く事業をスタートしたいという方が多くを占めているのが実情であり、スピード感の面では届出制の大きなメリットがあります。

メリット③|住宅地でも営業でき、用途地域の制限が少ない

旅館業を営むためには、物件が建築基準法上「ホテル、旅館」を建築できる用途地域に所在している必要があります。

具体的には、第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・商業地域・準工業地域の6つの地域に限定されます。

つまり、第一種・第二種低層住居専用地域や第一種・第二種中高層住居専用地域では、旅館業の営業許可は取得できません。

一方、住宅宿泊事業法に基づく民泊は、建築基準法上「住宅」として扱われるため、工業専用地域を除くすべての用途地域で営業が可能です。

これは富山県のような地方都市では特に大きなメリットです。

住宅街にある空き家を宿泊施設として活用したい場合、旅館業許可では用途地域の壁に阻まれるケースがありますが、民泊届出であれば多くの住宅地でスタートできます。

なお、富山県では民泊の営業区域・営業期間について独自の条例による上乗せ規制は設けられておらず、工業専用地域を除く全域で営業が可能です。

メリット④|家主居住型なら消防設備のハードルが低い

宿泊事業を始める際に意外と大きな負担になるのが、消防設備の整備費用です。

旅館業の施設は消防法上「特定防火対象物(5項イ)」に該当するため、規模にかかわらず自動火災報知設備・誘導灯・防炎物品の設置が義務付けられます。

消防設備の工事費だけで10万〜100万円以上かかることも珍しくありません。

一方、民泊の場合は運営形態によって消防法上の扱いが大きく異なります。

  • 家主居住型(自宅の一部を貸す)+宿泊室50㎡以下の場合 → 消防法上は「一般住宅」扱い。住宅用火災警報器の設置だけで基準を満たせます。自動火災報知設備の設置は不要です。
  • 家主不在型 → 消防法上は「宿泊施設(5項イ)」扱いとなり、自動火災報知設備が必要です。ただし、延べ面積300㎡未満であれば「特定小規模施設用自動火災報知設備」(無線式・配線工事不要)で対応できる緩和措置があります。

家主居住型の民泊であれば、消防設備にかかる費用は数千円〜数万円程度に抑えられます。

旅館業と比べると、この差は非常に大きいと言えるでしょう。

なお、いずれの場合も消防法令適合通知書の取得は必須です。

管轄の消防署への事前相談→設備設置→交付申請→検査→交付という流れになります。

消防法令適合通知書の取得までの詳しい流れについてはこちらの記事「旅館業許可の消防法令適合通知書とは?富山県・魚津市の取得方法と注意点」を参考にしてください。

当事務所では防災士の資格を持つ代表が、消防署との事前協議から防火・防災計画の策定までトータルでサポートいたします。

メリット⑤|「まず小さく始める」スモールスタートに最適

民泊届出の年間180日という営業日数制限は、本格的な宿泊ビジネスを目指す方にとってはデメリットに感じるかもしれません。

しかし、見方を変えれば「低コスト・低リスクで宿泊事業を始めるためのファーストステップ」として最適な制度です。

観光庁の統計によると、2026年7月15日時点で住宅宿泊事業の届出件数は全国で累計65,837件に達しています。

2018年6月の法施行時(2,210件)から約30倍に増加しており、民泊への関心が年々高まっていることがわかります。

まずは民泊届出で始めて運営ノウハウを蓄積し、需要が見込めると判断したタイミングで旅館業許可(簡易宿所)に切り替えるという段階的なアプローチは、特に初めて宿泊業に取り組む方にとって堅実な選択肢です。

富山県・魚津市で民泊届出をする際の具体的な流れ

富山県で民泊を始める場合の基本的な手続きは、以下のとおりです。

  1. 事前準備:物件の用途地域確認、マンション管理規約の確認(該当する場合)、賃貸物件の場合は貸主の承諾取得
  2. 消防署への事前相談:管轄消防署(魚津市の場合は新川地域消防組合)に相談し、必要な消防設備を確認
  3. 消防設備の設置・消防法令適合通知書の取得
  4. 届出書類の準備:届出書、誓約書、登記事項証明書、住民票、住宅の図面など
  5. 富山県知事への届出:民泊制度運営システム(オンライン)で届出を提出
  6. 届出番号の通知・標識の掲示:届出が受理されたら、届出番号を受け取り、住宅の入口付近に標識を掲示して営業開始

(出典:富山県「住宅宿泊事業について」、観光庁「民泊制度ポータルサイト」)

廣瀬アシスト行政書士事務所では、事前の消防署相談から届出書類の作成・提出代行まで、ワンストップで対応しております。

「何から始めればいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

まとめ|民泊届出は小さく・安く・早く始めたい方にメリット大

旅館業許可と比較した民泊届出のメリットをまとめると、次のとおりです。

  • 費用が安い:届出手数料無料、初期費用の総額も大幅に抑えられる
  • 手続きが早い:届出制のため、2週間〜1か月で開業可能
  • 住宅地で営業できる:用途地域の制限が少なく、空き家活用にも適している
  • 消防設備の負担が軽い:家主居住型なら住宅用火災警報器だけでOK
  • スモールスタートに最適:まず小さく始めて、需要を見極めてからスケールアップできる

年間180日の営業制限はありますが、「まずは試してみたい」「空き家を活用したい」「副業として始めたい」という方には、民泊届出は非常に合理的な選択です。

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 TEL:080-2957-9028(8:30〜19:00)

廣瀬アシスト行政書士事務所は富山県魚津市を拠点に、旅館業許可に必要な消防法令適合通知書の取得から、防火・防災計画の策定まで一括でサポートいたします。富山県・魚津市での旅館業許可・民泊届出は、ぜひ当事務所にご相談ください。

許認可や補助金のことでお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。

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